Room’s Bar八王子営業部長 濱口
不動産のプロとして見てきた「高齢者の住まいの現実」
賃貸の厳しい現実
仕事柄、高齢の方が賃貸物件を借りようとする場面を数多く見てきました。
実は、年齢を重ねるほど、賃貸の審査は厳しくなっていきます。
- 家賃の支払い能力への不安
- 孤独死リスクへの懸念
- 保証会社の審査も厳しくなっていく場合が多い
70代、80代で「住む場所を失うかもしれない」という不安は、想像以上に大きなものです。貸主側の事情も理解できますが、高齢者の方が途方に暮れる姿を見ると、胸が痛みます。
だからこそ、持ち家があることの安心感は大きいのです。
維持が困難になった持ち家
一方で、戸建てやマンションを持っていても、維持できずに困るケースも数多く見てきました。
よくあるケース:
- 年金生活で修繕費が出せず、家が荒れていく
- 体力的に管理できず、庭が荒れ放題に
- 広すぎる家に一人で住み、持て余している
- 高齢になってから「売りたい」と思っても、判断力や体力が追いつかない
実際にお客様から、「もっと早く決断すればよかった」という言葉を何度も聞いてきました。
持ち家も、維持できなければ重荷になってしまうのです。
50代の今だからこそ、考えるべき理由
私自身の実感として、50代はまだ体力も判断力もあります。でも、これから先のことを考えると、不安もあります。
子供の独立、定年退職、収入の変化…50代はライフステージの大きな転換期です。
今の住まいを「老後も維持できるか」を冷静に考えられる、最後のタイミングだと思います。
60代、70代になってからでは…
- 引っ越しの体力的負担が大きくなる
- 判断力の低下で、冷静な決断が難しくなる
- 住宅ローンも組みにくくなる
- 不動産市場での選択肢が狭まる
戸建て vs マンション―老後の維持コストと生活面の現実
コスト面での比較
【戸建ての場合】
- 固定資産税:土地+建物分
- 修繕費用:屋根、外壁、設備などを自分で貯めて対応
- 庭の管理費用:植木の手入れ、草刈りなど
- 光熱費:断熱性の低い家だと高額に
濱口の視点:「計画的に貯蓄できればいいのですが、年金生活で急な出費が発生すると厳しいのが現実です。屋根や外壁の修繕は数百万円かかることも珍しくありません」
【マンションの場合】
- 管理費・修繕積立金:月2〜5万円が一般的(築年数とともに上がる傾向)
- 固定資産税:戸建てより低めの傾向
- 駐車場代:月1〜2万円
濱口の視点:「毎月確実に出ていくお金です。年金の中から払い続けられるか、しっかり計算が必要です。ただ、計画的に支払える安心感はあります」
生活面での現実
【戸建て】
◎ メリット
- 庭いじりやペットとの暮らしが自由
- 隣戸への音を気にしなくて良い
- 駐車場代が不要
- 建て替え・リフォームの自由度が高い
✕ デメリット
- 階段の上り下りが将来的に負担
- 庭や外回りの維持管理が必要
- 防犯面で不安(留守時など)
- 冬場の寒さ、夏場の暑さ対策が必要
濱口の実感:「今は平気でも、70代で2階に上がるのはきつくなります。実際、2階を使わなくなったというお客様は本当に多い。1階だけで生活できる間取りかどうかが重要です」
【マンション】
◎ メリット
- ワンフロアで生活が完結、バリアフリー
- セキュリティが充実(オートロック、管理人など)
- 駅近など利便性の高い立地が多い
- 共用部の管理は管理組合任せで楽
- 断熱性・気密性が高く快適
✕ デメリット
- 管理費・修繕積立金が生涯かかる
- 管理組合の運営に関わる必要も
- ペットや楽器など制限がある
- 駐車場代が別途必要
濱口の実感:「バリアフリーで駅近なら、車を手放しても生活できる安心感があります。これは老後にとって大きなメリットです」
老後の立地選び―新しい基準で考える
50代までは「通勤」「子供の学校」が立地の基準でした。
でも、老後は基準が変わります。
老後に重視すべき立地条件
- 医療機関:総合病院、かかりつけ医まで徒歩圏、または公共交通で行ける
- 日常の買い物:スーパー、ドラッグストアが近い
- 公共交通:車が運転できなくなっても困らない
- 子供・孫のアクセス:何かあった時、駆けつけてもらえる距離か
- 平坦な道:坂道や階段が多いと、外出が億劫に
濱口の視点:「郊外の広い家も魅力的ですが、車なしで生活できるかどうかが重要です。免許返納後の生活をイメージしてみてください」
「住み替え」という選択肢―今だからこそ考える
なぜ今、住み替えを検討すべきか
正直、住み替えは大変です。でも、70代で考えるよりずっと楽なのも事実です。
今の家を売却して、老後に適した住まいに移る。これも立派な人生設計だと思います。
住み替えのメリット
- 維持費の削減
広すぎる家からコンパクトな家へ移ることで、光熱費・管理費が下がります - 売却益で老後資金を確保
例:郊外の戸建て売却 → 駅近の中古マンション購入 + 差額を貯蓄 - 生活の利便性向上
駅近、医療機関近くなど、老後に適した立地へ - 終活の一環
子供に「実家の処分」という負担を残さない
住み替えのパターン例
パターン1:郊外の戸建て → 駅近のマンション
管理が楽になり、利便性アップ。バリアフリーで安心。実際にこのパターンで住み替えたお客様から「生活が本当に楽になった」という声をよく聞きます。
パターン2:都心のマンション → 地方のコンパクトな戸建て/平屋
ゆとりある暮らしを実現。売却益で老後資金も確保できます。
パターン3:大きな戸建て → 小さな戸建て/マンション
夫婦二人に適したサイズへ。管理しやすく、コストも抑えられます。
あなたはどちらが向いている?チェックリスト
戸建てが向いている人
- □ 庭いじりやペットとの暮らしを続けたい
- □ 階段の上り下りがまだ苦にならない
- □ 修繕費用を計画的に貯蓄できる
- □ 隣戸を気にせず自由に暮らしたい
マンションが向いている人
- □ 管理や防犯面で安心したい
- □ 駅近など利便性を重視したい
- □ 階段のないワンフロア生活がいい
- □ 月々の固定費を明確にしたい
住み替えを検討すべき人
- □ 今の家が広すぎて持て余している
- □ 立地的に不便を感じ始めている
- □ 修繕費用の負担が心配
- □ 老後資金に不安がある
- □ 子供に実家の処分を負担させたくない
濱口からのメッセージ―「何もしないのが、一番のリスク」
私自身も50代。老後のことを考えると、不安もあります。
でも、だからこそ、今のうちに動けることがあると思っています。
不動産業に22年携わる中で、賃貸の厳しさも、持ち家の維持の大変さも、両方見てきました。
だから、皆さんにお伝えしたいのです。
- 「今の住まいが、老後も自分たちに合っているか?」
- 「維持していけるのか?」
- 「それとも、住み替えた方がいいのか?」
正解は人それぞれです。でも、考えることから始めましょう。
お客様から「もっと早く相談すればよかった」と言われるたびに、「50代のうちに一度立ち止まって考えることの大切さ」を痛感します。
まず一歩―あなたの家の価値を知ることから
住み替えるにしても、住み続けるにしても、まずは今の家の資産価値を知ることが大切です。
Room’s Barでは、無料で査定を行っています。
査定したからといって、売る必要はありません。
選択肢を知るための第一歩です。
同世代として、一緒に考えさせてください。
老後の住まいについて、どんな小さなことでも構いません。お気軽にご相談ください。







