フジテレビ社長に50億円請求、その原因“善管注意義務”は実はあなたの契約書にも

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フジテレビ前社長に50億円請求⁉ 実はあなたの契約書にもある「善管注意義務」って何?

フジテレビ前社長に50億円の損害賠償請求――

先日報じられたこのニュースに、驚いた方も多いのではないでしょうか。

発端は、同局の番組関係者による不祥事。それに対して経営陣が「対応を怠った」とされ、会社側が損害賠償を求めて前社長らを提訴したという内容です。

この中でキーワードとなっていたのが、少し聞き慣れない法律用語――

「善管注意義務(ぜんかんちゅういぎむ)」

一見すると、経営者とか法律の専門家だけが関係するような言葉に思えますが、実はこれ、わたしたちの身近な契約書の中にも普通に出てくるルールなんです。


「善管注意義務」ってそもそも何?

「善管注意義務」は正式には「善良なる管理者の注意義務」と言い、法律用語ではよく登場する考え方です。

簡単に言えば…

「その立場にある人として、当然払うべき注意をしっかりしてね」

という意味です。

たとえば、経営者であれば、問題が起きたときに調査し、報告し、会社として適切に対応する義務がある。
それを怠った結果、損害が出た場合には「注意義務を果たしていなかった=善管注意義務違反」とみなされるのです。

では、これがどうして「わたしたち」にも関係あるのか?


実は賃貸契約でも普通に出てくる

そう、この「善管注意義務」という言葉は、賃貸借契約書でもよく出てくる用語なんです。

たとえば、賃貸物件の契約書にこんな文言、見たことはありませんか?

借主は、本物件を善良なる管理者の注意をもって使用し、これを損傷しないようにしなければならない。

これがまさに、「善管注意義務」です。

つまり、部屋を借りた人(借主)は、一般的に常識的な注意を払って、物件を大切に使う義務があるということ。


善管注意義務って、どこまで気をつければいいの?

「常識的な注意」と言われても、どこまでがOKでどこからがNGなのか、少し曖昧ですよね。
以下は、実際によくあるケースです。

✅ 善管注意義務を果たしていないと見なされる例

  • 水漏れを発見したのに放置して、床や壁が腐食した
  • 換気をせずカビが大量発生してしまった
  • ペット不可の部屋でこっそり飼い、壁や床が傷ついた
  • 壁に穴を開けたり、原状回復が困難なDIYをした

✅ 普通に生活していればOKな例

  • 冷蔵庫の跡が多少床についた(通常の使用の範囲内)
  • 日焼けで壁紙が少し変色した(経年劣化の範囲)
  • 家具を置いたことによる軽微なへこみ(想定範囲内)

つまり、「誰がどう見ても、ちょっと雑すぎるよね」と思われるような使い方をしていなければ、特に問題になることはありません。

ただし、何かトラブルや故障が起きたときに、すぐ報告・相談せずに放置することが、「義務を怠った」と判断される大きな要因になります。


フジテレビの件と共通する考え方

ここで、冒頭の話に戻ります。

フジテレビの前社長たちが問われているのも、「その立場にふさわしい責任と注意を果たしたのか?」という点です。

情報を共有せず、調査を怠り、会社としての対応が遅れた――
その結果、スポンサーの離脱やイメージ低下という大きな損害が発生し、会社は「善管注意義務違反」として損害賠償を請求するに至ったのです。

立場は違えど、考え方は同じです。

  • 社長 → 経営のトップとしての注意義務
  • 借主 → 借りている物件を丁寧に使う義務

「その立場で当然すべきことを、ちゃんとやったか?」という視点は共通しています。


契約書の文言、ちゃんと読んでみよう

契約書の中に出てくる難しい言葉。
「これはどうせ形式でしょ?」と思って読み飛ばしていませんか?

でも実は、そういった文言がトラブル時に自分を守ってくれる、あるいは逆に責任を問われる根拠にもなりうるのです。

今回のようにニュースで「善管注意義務」という言葉を聞いたのをきっかけに、一度ご自分の契約書を見返してみるのもおすすめです。


まとめ:立場が違っても「注意を払う責任」はみんなにある

  • フジテレビのような企業の話でも、「善管注意義務」という考え方は、私たちにも無関係ではない。
  • 賃貸借契約においても、借主には「部屋を常識的に丁寧に使う」義務がある。
  • 「ちょっとした不注意」が、後で大きな費用につながる可能性も。

最後にひとこと。

契約書は「読むためのもの」ではなく、「守るためのもの」。

そして、「善管注意義務」はまさにその中心的なルールのひとつです。

「今さら聞けない契約書の読み方」や「原状回復トラブルの回避法」なども、今後のブログで詳しく紹介していく予定なので、よければ引き続きチェックしてみてくださいね。