2025年11月、香港で発生したタワーマンションの大規模火災で、多くの尊い命が失われました。
亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
報道や映像を見て、不動産に携わる者として、そして日々八王子で多くのマンションをご紹介している立場として、改めて「高層住宅の火災リスク」について考えさせられました。
■ 香港で起きた大惨事 ― 火災が急拡大した背景
今回の火災では、修繕工事の際に使われていた 竹製の足場 や 可燃性のシート が火の回りを加速させたとされています。
日本ではまず考えられない素材ですが、香港やアジアでは一般的に使われているようです。
タワーマンション特有の構造として、火は上へ上へと立ち上っていきます。横に避難できる構造が少ないため、上層階の住民ほど逃げ場を失いやすいという特徴があります。
さらに、建物の警報設備や防火管理の不備も指摘されており、被害が甚大になった要因となりました。
■ 日本のマンションはどう違う？ 高い耐火基準と安全設備
日本のマンションは、建築基準法・消防法の影響もあり、世界的に見ても厳しい耐火性能が求められています。
タワーマンションでは以下の設備が必須となっています。
- スプリンクラー設備
- 自動火災報知設備
- 耐火構造の区画（火が広がりにくい設計）
- 煙を押し返す加圧防煙設備
- 避難階段・複数避難ルートの確保
また、大規模修繕でも 竹足場は使用禁止、足場のシートも 防炎認定品 だけしか使えません。
そのため「香港のような大規模延焼は日本では起こりにくい」と言えます。
しかし、だからといって可能性がゼロではありません。
■ とはいえ“絶対に安全”な建物は存在しない
今回の火災を見て多くの人が感じたと思いますが、どれだけ設備が整っていても火災は“人の行動”から起こります。
例えば…
- 調理中の火を離れる
- 過充電によるモバイルバッテリーの発火
- タバコの不始末
- 電源タップのホコリ
こうした“日常の小さな火種”からでも大きな火災に繋がります。
また、高層階では地上まで避難するのに時間がかかり、煙が充満すると命取りになります。タワーマンション特有の弱点は日本も香港も同じなのです。
■ 居住者ができる防火対策（今日からできること）
- 家庭用消火器を1本備えておく
- ベランダの避難経路を確認する
- 家具を“避難動線”を塞がない配置にする
- モバイルバッテリーなどを寝る前に充電しない
- 管理組合の防災訓練や議題に積極的に参加する
特に大規模修繕の際は、
- 防炎シートが使われているか
- 施工会社の安全管理は適切か
- 住民への避難経路案内が周知されているか
こうした点を管理組合としてチェックすることがとても大切です。
■ 八王子のマンション事情と“地域防災”
八王子市内には、
- 駅前の高層マンション
- 中層マンション（椚田・別所・めじろ台など）
- 低層マンション（郊外エリア）
さまざまな建物がありますが、どのタイプにも防災上の注意点が存在します。
特に八王子は風が強い日も多く、乾燥しやすい気候のため、火災は季節を問わず起こりえます。
地域ぐるみで防災意識を高めることがより重要だと感じます。
■ 不動産会社として伝えたいこと ― 安全性も「住まい選びの基準」
物件探しでは「立地・価格・間取り」が注目されがちです。
しかし本当に大切なのは、大切な家族が安心して暮らせるかどうか。
当社では、
- マンションの防災設備
- 過去の修繕履歴
- 管理体制や防火対策
こうした点も含めて、安心して住める住まいをご紹介することを大切にしています。
■ まとめ ― 火災は他人事ではない。備えが命を守る。
香港の火災は悲しい事故でしたが、私たちが学ぶべきことも多くあります。
日本のマンションは非常に安全性が高いとはいえ、油断は禁物です。
「もし自分のマンションで火災が起きたら？」
一度立ち止まって考えることが、家族の命を守る第一歩です。
■ LINEで気軽に相談できます
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