築古マンションで「エアコンが設置できない部屋」って?~検討前に知っておきたいポイント~
おはようございます、Room’s Bar八王子の濱口です。
築年数の古いマンションやアパートは、「立地が良い」「家賃が安め」「間取りが広い」など、魅力的な条件がそろっていることが多く、今でも根強い人気があります。
でも、こうした築古物件を検討するときに、意外と見落とされがちなポイントがあります。
「一部の部屋にエアコンが設置できない」というケースです。
この記事では、不動産屋の視点から「なぜそんなことが起きるのか?」「対策はあるのか?」を解説していきます。
なぜ廊下側の部屋にはエアコンが付けられないの?
構造上、配管が通せない
エアコンは「室内機」と「室外機」を冷媒配管でつなぐ必要があります。
ところが、築古の物件では、以下のような理由で配管ルートが確保できないことがあります。
- 廊下側の部屋にはバルコニーがない
- 外壁が共用部分のため、勝手に穴をあけられない
- 室外機を置くスペースがそもそもない
消防法による制限も
さらに、消防法の規定によって、共用廊下に室外機を置くこと自体が禁止されているケースもあります。
消防法では、避難経路として使われる共用廊下の幅を60cm以上確保する必要があるため、室外機によって通路が狭くなると設置はNGになります。
管理規約で禁止されていることも
分譲マンションや管理体制の整った賃貸物件では、共用部への物の設置を管理規約で禁止していることがあります。
「他の住民の通行の妨げになる」「見た目が悪くなる」といった理由から、設置が却下されることもあるため要注意です。
エアコンがないとどうなる?暮らしへの影響
「夏だけだから、がまんすればいいかな…」と思う方もいますが、エアコンが設置できない部屋には以下のような問題が出やすくなります。
- 室温が上がりやすく、熱中症のリスクがある
- 湿気がこもってカビや結露が発生しやすい
- 子ども部屋やテレワークのスペースに使いづらい
- 扇風機や換気扇では十分に冷えない
実際に「暑すぎてその部屋で寝られなかった」「結局引っ越した」というケースも聞きます。
対策はある?検討時のポイントと冷房代替アイテム
対応策1:別の部屋から冷気を送る
- サーキュレーターや扇風機を活用して冷気を送る
- 冷気ダクトを使って間仕切り越しに空気を循環させる
- 部屋の使い方を工夫し、「寝室は窓側」「書斎はエアコン部屋に」など動線を最適化
対応策2:最近人気の“コンパクト冷房家電”を活用する
最近では、エアコンの代わりになる「ダクトレス冷風機」や「ポータブルクーラー」といった製品も増えています。
中でもおすすめなのが以下のようなタイプです:
- コンパクトクーラー(ダクトレス型)
室外機不要で、コンセントに挿せばすぐ使える
キャスター付きで移動もラクなため、賃貸や築古物件との相性が良い
排気がないため、消防法や共用廊下の制限にも引っかかりにくい
ただし、これらは「部屋全体をしっかり冷やす」ものではなく、自分の周囲だけを冷やす補助冷房として使うのが現実的です。
不動産屋としてアドバイスしたい内見・契約時のチェックポイント
- エアコンが取り付けられるか管理会社や大家に確認
- 廊下側の部屋に配管穴があるか、過去に設置された形跡があるか
- 室外機を置くスペースが共用部を塞がないか(60cm以上の幅を要確認)
- 管理規約や消防法に抵触しないか、できれば書面で確認を取る
入居後に「取り付け不可だった」と判明すると、トラブルや追加出費になる可能性が高いです。
まとめ:快適さも含めて“住まい選び”を
築年数の古い物件は魅力も多いですが、設備の制限を見落とすと、日常生活に大きなストレスが生じることもあります。
特にエアコンの有無は「快適に暮らせるか」に直結する要素です。
でも、最近は
「エアコンを取り付けられない賃貸物件」や「配管工事が難しい築古物件」にぴったりのコンパクトクーラーや冷風機も増えてきました。
設備制限のある物件でも、工夫や代替手段で快適に暮らせる可能性は十分あります。
物件を選ぶときは、こうした“見えにくい制限”も含めて、納得いく住まいを見つけてください。
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