「このマンション、楽器演奏できますか?」
内見時に多い質問の”意外と難しい”真実
こんにちは、Room’s Bar八王子です。
中古マンションの内見時、お客様から「ピアノは置けますか?」「ギターの練習はできますか?」といった楽器に関するご質問をいただくことがよくあります。
実はこの質問、不動産業者にとって「すぐには答えづらい質問」のトップ3に入るほど、回答が難しい質問なんです。
お客様からすれば「できます」か「できません」の簡単な二択に思えるかもしれませんが、実際には様々な理由で即答できないケースがほとんど。今回は、その理由と、楽器演奏可能な物件を探す際の正しい確認方法について、実務経験を踏まえて詳しく解説します。

なぜ「楽器OK」とすぐに答えられないのか?3つの理由
理由①:重要事項調査書にも明記されていないことが多い
マンションの管理会社から有料で取得する「重要事項調査書」という公式書類があります。この書類には、管理費や修繕積立金、ペット飼育の可否など、マンションの重要な情報が記載されています。
しかし、楽器演奏に関する記載は空欄、または「詳細は管理規約参照」となっているケースが大半です。
- 「楽器演奏」の項目自体がない
- 項目はあっても「要確認」「別途問い合わせ」となっている
- 演奏可能な時間帯の明記がない
つまり、公式書類を見ても判断できないことが多いのです。
理由②:管理規約の記述が抽象的で判断が難しい
では管理規約を確認すれば分かるかというと、これもまた難しい問題です。多くのマンション管理規約では、以下のような抽象的な表現が使われています。
- 「大音量でのテレビ視聴や楽器演奏は禁止」→「大音量」の基準は?
- 「他の居住者に迷惑をかける音を出してはならない」→主観的すぎる
- 「重量物の搬入不可」→ピアノは該当する?しない?
- 「近隣の迷惑となる行為の禁止」→具体性に欠ける
こうした曖昧な表現では、「楽器全般NG」なのか「一部の楽器ならOK」なのか、「時間帯を守ればOK」なのか判断できません。
また、管理規約は築年数の古いマンションほど、こうした抽象的な表現が多い傾向にあります。
理由③:楽器の種類や演奏方法で判断が大きく分かれる
「楽器」と一口に言っても、その種類は様々です。
- アコースティックギターとエレキギター(アンプ使用)では音量が違う
- 電子ピアノ(ヘッドホン使用)とグランドピアノでは全く別物
- ドラムは音だけでなく振動の問題もある
- 管楽器は音の周波数が近隣に響きやすい
同じマンションでも、楽器の種類、演奏時間帯、演奏方法によって可否が変わるため、単純に「楽器OK」「楽器NG」とは言い切れないのです。
実際にNGになりやすい楽器・条件付きでOKになる可能性のある楽器
これまで多くのお客様の楽器演奏可否確認をサポートしてきた経験から、傾向をお伝えします。ただし、あくまで傾向であり、最終的には各物件の管理組合・管理会社の判断となります。
❌ ほぼNG判定される楽器
ドラム、カホンなどの打楽器全般

- 理由:音だけでなく振動が階下に響く。電子ドラムでも振動は完全に防げない
声楽、コーラス練習
- 理由:人の声は壁を通り抜けやすく、近隣に最も響きやすい音の一つ
管楽器(トランペット、サックス、フルートなど)
- 理由:音の周波数が壁を通過しやすく、思った以上に響く
アコースティックピアノ(グランドピアノ、アップライトピアノ)
- 理由:重量(200〜300kg)と音量の両面で問題。構造上の制限があるマンションも多い
△ 条件付きでOKになる可能性がある楽器
電子ピアノ
- 条件:ヘッドホン使用が前提、演奏時間帯の制限あり(例:10時〜20時のみ)
- 注意:鍵盤を叩く音も意外と響く。防音マット必須のケースも
アコースティックギター
- 条件:音量控えめ、昼間の演奏限定
- 注意:深夜や早朝の演奏は基本NG
エレキギター・ベース
- 条件:アンプ使用禁止、ヘッドホンアンプのみOKなど
バイオリン、チェロなどの弦楽器
- 条件:消音器(ミュート)使用、時間帯制限あり
⚠️ 重要なポイント
「消音機能付き」「電子楽器」だから大丈夫、とは限りません。鍵盤を叩く音、弦を弾く音、椅子を引く音なども意外と響きます。必ず事前確認が必要です。
トラブルを避けるための正しい確認方法
お客様にお願いしたいこと
楽器演奏を希望される場合、物件探しの最初の段階で必ず以下の情報をお伝えください。
- 演奏したい楽器の種類
- 「ピアノ」だけでなく「電子ピアノ」「アップライトピアノ」など具体的に
- 演奏の頻度と時間帯
- 毎日2時間 / 週末のみ / 平日夜間など
- 消音機能の有無
- ヘッドホン使用可能か、サイレント機能付きかなど
- プロかアマチュアか(音楽教室を開く予定があるかなど)
- マンションは基本居住用のため、営業行為に該当する場合はほぼNG
❌ 「たぶん大丈夫だろう」で契約しないでください
「前の家では問題なかったから」「少しくらいなら」という考えは危険です。入居後に発覚してトラブルになり、最悪の場合は退去を余儀なくされるケースもあります。
Room’s Bar八王子が行う確認プロセス
お客様から楽器演奏のご希望を伺った場合、私たちは以下のステップで確認を進めます。
- 管理規約の詳細確認
- 管理規約の該当箇所を確認します。(仲介物件の場合、売主側仲介に確認)
- 管理会社への直接問い合わせ
- 具体的な楽器名、演奏条件を伝えて判断をしてもらいます。
- 書面での回答取得
- 口頭だけでなく、可能な限りメールでご回答し文面を残します。
このプロセスには数日かかることもありますが、入居後のトラブルを防ぐために必要な手順です。
実際にあったケース
ケース1:電子ピアノでもトラブルになった例
「電子ピアノならヘッドホンを使えば問題ない」と考えて入居されたお客様。しかし、深夜帯にヘッドホンで練習していたところ、階下の住民から「鍵盤を叩く音が響いて眠れない」とクレームが入りました。
結局、演奏時間を制限し、さらに防音マットを購入して対応することに。事前に時間帯の確認をしていれば避けられたトラブルです。
ケース2:規約変更で演奏不可になった例
あるマンションでは、以前は楽器演奏に関する規約が曖昧でした。しかし、ある住民のピアノ演奏を巡ってトラブルが発生し、管理組合で協議の結果、「全面的に楽器演奏禁止」という厳しい規約に変更されました。
このように、管理規約は変更される可能性があることも覚えておく必要があります。
その他の選択肢:防音室・音楽スタジオという選択
どうしても楽器演奏可能な物件が見つからない、または本格的な演奏環境が欲しい場合、以下の選択肢もあります。
- 防音室の設置:組み立て式の防音室を室内に設置(ヤマハ「アビテックス」など)
- 防音リフォーム:分譲マンションの場合、自己負担で防音工事を行う(管理組合の承認必要)
- 外部スタジオの利用:八王子駅周辺には時間貸しの音楽スタジオが複数あります
まとめ:楽器演奏希望の方は最初に必ずお伝えください
この記事のポイント
- 楽器演奏の可否は、重要事項調査書や管理規約を見ても即答できないことが多い
- 管理規約の表現が抽象的で、判断が難しいケースが大半
- 楽器の種類、演奏時間、使用方法によって可否が変わる
- ドラムや声楽はほぼNG、電子ピアノやギターは条件付きでOKの可能性あり
- 「たぶん大丈夫」で契約すると、入居後のトラブルにつながる
- 物件探しの最初の段階で、具体的な演奏希望を伝えることが最重要
楽器演奏は、住まいの快適さに直結する重要な要素です。だからこそ、曖昧なまま契約を進めるのではなく、最初の段階でしっかりと確認することが大切です。
Room’s Bar八王子では、お客様の「楽器を演奏できる住まい」探しを、実務経験に基づいてしっかりサポートいたします。管理会社への確認、管理規約の精査など、面倒な手続きはすべてお任せください。
八王子エリアで楽器演奏可能な中古マンションをお探しの方、まずはお気軽にご相談ください。あなたの音楽ライフを守るために、一緒に最適な物件を見つけましょう。
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