意外と知られていない『告知書』の落とし穴と、売主が知っておくべき3つのチェックポイント
こんにちは、八王子不動産売却エージェントの濱口です。
不動産売買の契約時、重要なのは「売買契約書」や「重要事項説明書」だけではありません。
実は売主様にも密接に関わるのが「告知書」という書類です。
これは、物件の過去のトラブルや状態を正直に記載するためのもの。
しかし現場では、「何を書けばいいか分からない」「言わなくてもバレないでしょ?」という認識で軽視されることが多いのが実情です。
この記事では、不動産屋として実際に私が現場で行っている対応を交えながら、告知書に関する3つの重要なチェックポイントをご紹介します。
■ 告知書とは?
告知書とは、売主が買主に対して、物件に関する「過去・現在の不具合」や「トラブルの有無」などを記録する書類です。
契約不適合責任や損害賠償のリスクに直結するため、署名・捺印された告知書は法的にも非常に重要な位置づけになります。
■ 不動産屋が現場でチェックしている3つのポイント
① 心理的瑕疵(事故・事件・近隣トラブル)
たとえ事故物件でなくても、過去に火災があった・近隣からの苦情が多かったなどの情報は、買主にとって重大な判断材料です。
「知らなかった」「昔のことだから」と軽視せず、該当する出来事がないかしっかり確認しましょう。
② 雨漏り・シロアリ・水回りのトラブル
「もう修理したからOK」ではなく、「過去に起きた事実があるかどうか」を買主に伝える義務があります。
小さな修繕でも、正確に伝えることでトラブル回避につながります。
③ 境界問題・越境・未登記部分
ブロック塀や物置などが越境していたり、隣地との境界が不明確な場合は、買主に大きな不安を与える原因になります。
未登記の増築部分や、隣人との口約束なども、書面に残しておくことで後々のトラブルを回避できます。
■ 私が実践しているトラブル予防策
私は、査定依頼をいただいた時点で、告知書の雛形を持参して売主様に確認しています。
項目を一緒に読み上げながら、気になる点があればその場でヒアリング。
「まだ売ると決めてない」という段階でも、告知内容を整理しておくことが、信頼につながると考えています。
■ まとめ:告知書は“リスク管理ツール”です
- 告知書は、売主・買主・仲介業者、全員を守るための書類です。
- 小さな事実でも、誠実に伝える姿勢が契約の安心感につながります。
- 「言わなきゃバレない」ではなく、「きちんと伝えること」が信頼につながります。
告知書の扱いに不安がある方や、これから売却を検討したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。